こんにちは。元地方公務員のおさかなまるです。
公務員は安定していて、離職が少ないと思われていますが、実際には公務員を辞める人は少なくありません。
公務員を辞める人にはどんな特徴があるのでしょうか?
また、公務員を辞める理由は何なのでしょうか?
この記事では、元公務員であるわたしが、公務員を辞める人の特徴とその理由について解説します。
あわせて、公務員を辞めるメリット・デメリットと、辞めるときの注意点についても、わたし自身の経験をもとにお伝えしたいと思います。
公務員を辞めたいと考えている人や、逆に公務員になりたいと思っている人はぜひ参考にしてください!
公務員を辞める人の特徴
公務員を辞める人には、以下のような特徴があります。
- 組織に嫌気が差してしまった
- キャリアアップしたいと考えている
- 仕事にやりがいや面白さを感じられない
- 労働時間や給料に不満がある
- 人間関係で悩んでいる
- やりたいことや夢が見つかった
- 安定よりも自由や挑戦が好き
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
組織に嫌気が差してしまった
公務員の組織は、旧態依然とした体質や風土が強く残っています。
上下関係が厳しかったり年功序列であるところが多く、自分の意見や提案が通りにくかったり、無駄な会議や書類作成が多かったりすることも珍しくありません。
このような組織に耐えられなくなって辞めるという人は、少なくないのです。

最近では40歳以上のベテランも、嫌気が差して辞める人が増えている印象です。
また、公務員の組織の中では自分の能力やアイデアを発揮できないと感じ、民間企業へ転職したり起業したりする人もいます。
キャリアアップしたいと考えている
公務員は、一般的には安定した雇用や待遇が魅力とされていますが、その反面、キャリアアップの機会や昇進のスピードは限られています。
公務員の昇進や昇給は、年齢や勤続年数によって決まるため、実力主義ではありません。
また、異動や転勤なども上司や組織の都合で決められることが多く、自分の希望や適性に合った仕事ができないことが多いです。
このような状況に不満を持ち、もっと自分の能力や努力に見合った報酬や評価を得たいと思う人は、公務員を辞めて民間企業に転職することがあります。

これはどちらかというと若手が多いですね。
民間企業では、公務員よりも高い給料やボーナスを得られる可能性があり、自分の希望や適性に合わせてキャリアチェンジやスキルアップができる場合が多いです。
そのため、より自分に合った環境を求める人は公務員を辞める印象があります。
仕事にやりがいや面白さを感じない人
公務員の仕事は、社会のために貢献するという意義があると言えます。
しかしその反面、ルーティーンワークが多かったり、目に見える成果が出にくかったりすることもあります。
また、公務員の仕事は、利益を追求するのではなく、法令や規則に従って行うものなので、創造性や自由度が低いと感じることもあります。

平たく言うと”つまらない”ということです。
このような仕事にやりがいや面白さを感じられず、もっと自分の興味や好奇心を満たす仕事がしたいと思う人は、公務員を辞めて別の職種に転職することがあります。
労働環境や給料に不満がある
公務員は比較的安定した給料を得られると言われていますが、実際にはそれほど高くない場合もあります。
特に地方公務員の場合は、自治体の規模や財政状況によって給料に差があります。
(参考:地方公務員の年収はなぜ違いがある? 賃金はどうやって決まるの?)
また、公務員でもサービス残業が行われているケースもありますし、人手が少なかったり忙しい部署に配属されると、長時間労働を強いられる場合もあります。
このような労働環境や給料の面に不満を持ち、公務員を辞める人もいます。

とはいえ、転職先が公務員時代よりも良い環境になるとも限らないので、注意が必要です。
人間関係で悩んでいる
公務員は国や地方自治体の一員として、多くの人と関わる仕事です。
そのため、人間関係で悩む人も少なくありません。

公務員は狭い世界です。
わたしも悩みました。
公務員の人間関係で悩む原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない
- 職場の雰囲気や風土が合わない
- パワハラやセクハラなどの不適切な行為に遭う
- 異動や配置転換で馴染めない職場に移る
人間関係で悩むと、仕事へのモチベーションが低下したり、ストレスや不安を感じたりすることもあります。
そうした場合、職場を変えたいと思って転職する人もいます。
やりたいことや夢が見つかった
やりたいことや夢が見つかったという理由で退職する人もいます。

わたしもそのひとりです!
特にやりたいことが見つからず、何となく「安定してそう」という理由で公務員になった…
そんなわたしみたいな人は、実は結構多いんです。
なんとなく公務員になった人も、最初のうちは一生懸命働きます。
しかし働き始めて何年か経つと、「本当にこのままでいいのかな?」という疑問が湧いてくるのです。
そして自問自答するなかで、「自分のやりたいことをやろう!」と思い立ち、退職を決意します。
こういうパターンに該当する人もいます。
安定よりも自由や挑戦が好き
公務員は安定した職業ですが、それゆえに自由度は低く、挑戦の機会が少ないと感じることもあります。
公務員は法律や規則に基づいて行動しなければならず、自分で判断したり創造的に考えたりする余地が少ないです。
また、公務員はキャリアパスが決まっており、自分の希望や能力に関係なく異動や昇進が決まることも。
そうした場合、自分のやりたいことや目指すことができないと思い、もっと自分の意志で働きたいと思う人もいます。
また、単純に公務員の仕事に飽きてしまい、新しいことに挑戦したいと思い、転職したり起業したりする人もいます。
公務員を辞めるメリットとデメリット
ここまで、公務員を辞める人の特徴と、その理由について見てきましたが、公務員を辞めることにはメリットとデメリットがあります。
具体的には以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
キャリアの可能性が広がる | 安定性が失われる |
副業が可能になる | 社会的信用度が落ちる |
自由度が高まる |
それぞれ見ていきましょう。
メリット①キャリアの可能性が広がる
公務員は一般的にキャリアアップのスピードが遅く、役職や給与も年功序列で決まることが多いです。
しかし、民間企業では能力や実績に応じて早期に昇進や昇給が可能です。
また、異業種や異職種への挑戦もしやすく、自分の興味や適性に合わせてキャリアを変えることができます。
メリット②副業が可能になる
公務員は副業をすることが禁止されています。
しかし、民間企業では副業を認めているところも増えています。
副業をすることで収入を増やしたり、スキルを磨いたり、自分の好きなことを仕事にしたりすることができます。
メリット③自由度が高まる
公務員は服装や髪型などに厳しい規則があります。
また、リモートワークやフレックスタイム制などといった働き方の柔軟性も低いです。
しかし、民間企業ではそうした規制は少なく、自分の好きなように働くことができる場合が多いです。
デメリット①安定性が失われる
公務員は終身雇用制度や厚生年金制度などで安定した生活を送ることができます。
しかし、民間企業では景気や業績によって解雇や減給のリスクがあります。
また、退職金や年金も、公務員よりも少なくなります。
これは、安定性が失われるという点でデメリットです。
特に、公務員から転職する場合は、給与や待遇が下がる可能性が高いです。
そのため、転職先の条件や自分の貯金や家計の状況をよく考える必要があります。
デメリット②社会的信用度が落ちる
公務員は安定した職業だと捉えられており、基本的にクビになることはありません。
そのため、公務員に対しては社会的信用や信頼が高く、様々な面で優遇されます。
たとえば、住宅ローンや賃貸住宅の申し込みなどでは、公務員であれば審査が有利になったり、金利が低くなったりします。
公務員を辞めてしまうと、こういった優遇が無くなる=社会的信用度が落ちるということは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
公務員を辞めるときの注意点は?
それでは、公務員を辞めるときの具体的な注意点をお伝えしたいと思います。
まず、公務員を辞めることを検討している方は、辞める理由や目的がはっきりしているかどうかを再確認しましょう。
公務員は安定した待遇や福利厚生、社会的な責任感や使命感のある仕事ができるという良い面もあります。
それらを捨ててまで辞めたいと思えるほどの強い動機や明確な目標があるのかどうか。
今一度、自問自答してみてください。
もし無いのであれば、もう少し考えてからでも遅くないと思います。

「なんとなく気に入らないから辞める」というのでは、ちょっともったいない職業です。
また、公務員を辞めるときには、以下の点にも注意が必要です。
- 退職金の支払いが遅い
- 失業保険が貰えない
- 住民税の支払い
まず辞めたときに貰える退職金ですが、振り込みが遅くなる場合があります。
実際、わたしの場合は3月末に辞めて振り込まれたのが5月下旬のこと。
退職金を元手に何かを計画している人は、注意が必要です。
また、公務員の場合、基本的に失業保険は貰えません。
(参考:公務員は失業保険をもらえる?退職後に受け取れる手当と手続きの方法を解説)
こちらも、失業保険に期待している人は注意しましょう。
最後に、住民税の支払いについて。
住民税は1年遅れでやってきます。
公務員を退職後、新たな職場に転職する場合はそちらで住民税の天引き(特別徴収)が可能です。
しかし、転職先が決まっていない場合は、前年の所得で計算された税額を自分で支払わなくてはなりません(普通徴収)。
これが結構大きな金額で、30代前半の公務員の場合だと、住民税の年間の税額は20万円前後でしょうか。
これを年4回に分けて支払いますので、1回5万円ぐらいになります。
住民税は毎年6月に請求が来ます。
3月末に退職すると、ホッとした頃にやってきますので忘れないようにしておきましょう。
(参考:転職後の住民税に要注意! 住民税の納付方法と特別徴収の変更手続きについて)
まとめ
今回は、公務員を辞める人の特徴とその理由、また辞めるメリット・デメリット、そして辞める際の注意点についてお伝えしました。
再度要点をまとめます。
【公務員を辞める人の特徴とその理由】
- 組織に嫌気が差してしまった
旧態依然、年功序列に耐えられない - キャリアアップしたいと考えている
自分の実力を磨きたい - 仕事にやりがいや面白さを感じられない
公務員の仕事内容を「つまらない」と感じる - 労働環境や給料に不満がある
より良い環境を求めて転職する人も - 人間関係で悩んでいる
人とかかわる機会が多いゆえ、悩む人も - やりたいことや夢が見つかった
「なんとなく公務員になった」という人が辞める傾向
【公務員を辞めるメリット】
- キャリアの可能性が広がる
- 副業が可能になる
- 自由度が高まる
【公務員を辞めるデメリット】
- 安定性が失われる
- 社会的信用度が落ちる
【公務員を辞めるときの注意点】
- 公務員という安定した地位を捨ててまで辞めたい強い動機や明確な目標があるかどうか再確認すること
- 退職金の支払いが遅い
- 失業保険が貰えない
- 住民税の支払いが必要
公務員は基本的にクビにはならないので、ふらふらと居座る人が多いという印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には仕事内容や環境などに不満を持ったり、自分は公務員に向いていないと感じて辞める人も多いのです。
もしあなたも公務員に不満を感じており、辞めたいと思っているのなら、今から転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?
こちらの記事では、公務員におすすめの転職サイトをご紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
この記事が、今公務員を辞めたいと思っている方や、これから公務員になりたいと考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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