こんにちは。元地方公務員のおさかなまるです。
公務員として働いていると、膨大な仕事量を抱えながら、さまざまなストレスに晒されますよね。
以下は国家公務員に関する記事ですが、心身の不調に陥る公務員は近年増加傾向にあるといいます。
→心身病む官僚たち|NHK NEWS WEB
実際、わたし自身も地方公務員だった頃に、適応障害(後にうつ病)で2回休職した経験があります。
適応障害になってしまったら、どうすればいいのかな…
休職するときの手続きや給料はどうなるの?
休職中はどう過ごせばいいんだろう…
このような疑問を解決すべく、わたし自身の経験に基づき、公務員が適応障害で休職する場合の制度や休職中の過ごし方などについてお伝えします。
あなたの悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。
少しでも参考になれば幸いです。
※なお、この記事での「公務員」は地方公務員のことを指します。また、あくまでわたしの体験に基づくものですので、自治体によっては対応が多少異なる場合があります。
公務員が適応障害で休職する場合の流れや手続き
まずは、公務員が適応障害で休職する場合の流れや手続きについて説明します。
流れとしては、以下のとおりです。
- step1精神科を受診し、診断書をもらう
- step2診断書を所属の課か、人事担当へ提出
- step3人事から休職の辞令が発令される
それでは、順を追って説明していきます。
精神科を受診し、診断書をもらう
朝起き上がれない、どうしても職場に行けないなどの異変が生じたら、精神科のある医療機関を受診しましょう。
なお、精神科は紹介状が無いと初診は受けていないところもあるので、ご注意ください。
そして医師から適応障害だと診察を受けたら、職場に提出するための診断書を書いてもらいます。
診断書には「いつからいつまで就労不可と判断する」という内容が明記されていれば問題ないかと思います。
ちなみに、わたしは「診断書に期間が書かれてない」と人事に言われ、出し直しさせられたことがあります…
可能であれば、診断書の書き方について人事に確認したほうが確実です。
ちなみに診断書の作成は有料で、3~5,000円ほどかかります。
診断書を所属の課か、人事担当へ提出
診断書をもらったら、所属の課か、もしくは人事担当へ連絡し、診断書を提出します。
このとき、所属課に連絡するのが嫌であれば、人事担当へ直接話しても問題ないでしょう。
また、診断書も直接持参しなくても、誰かに頼むか郵送で提出しても大丈夫です。
なお、職場によっては人事や産業医との面談があることもあります。
その場合は職場に行かなくてはならないのですが、休んでいるときに職場へ行くときの服装はどうすればよいのか迷いますよね。
こちらの記事では、実際にわたしが休職中に職場へ出向いたときの経験をもとに、この疑問について解説しています。
あわせて参考にしてみてください。
人事から休職の辞令が発令される
診断書が提出され、人事にて決裁が下りると、休職の発令が出されます。
辞令が出るので、これを受け取れば正式に休職となります。
なお、休職辞令も郵送で受け取ることができるはずです。
取りに行くのはしんどいので、人事にお願いしてみるとよいでしょう。
休暇の扱いはどうなる?給与は?
では、適応障害だと診断されたら、休暇や給与はどのような扱いとなるのでしょうか?
この点について、まずは休暇制度から見ていきましょう。
休暇の扱い
公務員の場合、休暇の種類はいくつかあります。
適応障害で休職する場合は、どのような扱いになるのでしょうか?
わたしの場合もそうでしたが、基本的に最初の3ヶ月は「療養休暇(病気休暇)」という扱いになります。
療養休暇とは、職員が負傷や疾病のため働けない場合に適用される休暇のことです。
たとえば、ある自治体の規則では以下のように規定されています。
(療養休暇)
任命権者は、…療養を要する職員に対して次に定める期間の範囲内で療養休暇を与えることができる。(中略)
3 前項の休暇の期間は、引き続き90日を超えることができない。
要するに、療養休暇の期間は最大で3ヶ月(90日)だと書かれています。
ほかの自治体の規則を見てみましたが、やはり90日と定めているところが多かったです。
これは、人事院の『病気休暇の取扱いについて』という規則が基になっており、各自治体もこれに則って条例・規則を制定しているためです。
(詳しくはご自身の勤務先の規則をご確認ください)
そして3ヶ月を過ぎると、「休職」という扱いになります。
休職の期間は最大で3年間です。
これも、ある自治体の条例を見てみましょう。
法第28条第2項第1号の規定に該当する場合における休職の期間は、3年を超えない範囲内において、個々の場合について任命権者が定める。
※「法」とは、地方公務員法のことです
つまり、療養休暇の期間が過ぎても休職に切り替わることで、引き続き休むことは可能だということです。
焦らず、ゆっくり休んで大丈夫ですよ。
給与の扱い
次に、休んでいる間の給与について解説します。
まず、最大3か月の療養休暇中は、手当以外は全額支給されます。
ある自治体の給与に関する条例を見てみましょう。
(給与の減額)
職員が正規の勤務時間中に勤務しないときは、…休暇(略)による場合その他その勤務しないことにつき任命権者の承認があつた場合(人事委員会規則で定める場合を除く。)を除き、その勤務しない1時間につき第20条に規定する勤務1時間当りの給与額を、その者に支給すべき給与の額から減額して給与を支給する。
ちょっと回りくどいですが、要するに休暇は給与減額の対象外ということです。
(ここでいう休暇には、療養休暇も含まれます)
そして休職期間中ですが、休職してから1年間は8割分が支給されます。
こちらも、ある自治体の条例を引用してみます。
(休職者の給与)
(略)
3 職員が前2項以外の心身の故障により法第28条第2項第1号に掲げる事由に該当して休職にされたときは、その休職の期間が満1年に達するまでは、これに給料、扶養手当、地域手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ100分の80を支給することができる。
80%を支給することができる、と書いてあります。
ちょっと安心しましたね。
では休職が2年目以降に突入したらどうなるのかというと、2年目からは無給となります。
でも安心してください。
その場合は、地方職員共済組合から「傷病手当」が支給されます。
傷病手当はだいたい給与の6割ぐらい頂けます。
詳しい計算方法などについては、こちらをご覧ください。
→勤務を休み報酬が支給されないとき|地方職員共済組合
以上、休暇と給与の扱いについて解説しました。
ちょっと分かりづらかったかもしれませんので、最後に表にしてまとめておきます。
~90日 | 90日以降~1年 | 2年目以降 | |
---|---|---|---|
休暇(休職) | 療養休暇 | 休職 | 休職 |
給与 | 全額支給 (手当以外) | 8割支給 | 無給 (ただし傷病手当有) |
休職中にやるべきことは?
最後に、休職中にやるべきことについてお伝えしたいと思います。
ただ、結論から言うと休職中にやることは何もありません。
仕事から離れてゆっくり休んで、回復に努めてください。
まずは好きなだけ寝て、溜まりに溜まった体と心の疲れをとりましょう。
なかなかすぐには回復しないかもしれませんが、焦る必要はありません。
ゆっくりと過ごしましょう。
ただ、実際にはどうやって過ごせばいいのか分からないですよね。
こちらの記事では、過去に3回休職を経験しているわたしが、休職中の過ごし方について解説していますので、よかったら参考にしてみてください。
まとめ
今回は、適応障害で休職した場合の休暇制度や給与についてお伝えしました。
記事の中で解説したとおり、公務員は休職中でも一定の収入が保障されています。
なので、早く治そうと焦らなくても大丈夫です。
休職してしまったからといって自分を責めることはしないでください。
自分のペースで回復していけば、それで十分です。
ちなみに、体が回復してお医者さんからOKがでると、復職になります。
ただ、実際に復職するときに、何をすればいいか分からない方が多いかと思います。
こちらの記事では、復職時にすべきことについて解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
あなたの心身の回復をお祈りしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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